和服男性:山田耕筰氏 レオ・シロタ夫妻 ベアテさん


このドキュメンタリー映画は、ベアテ・シロタ・ゴードンがピアニストの亡き父レオ・シロタのレコードを保有する岩手県紫波町のあらえびす記念館を訪ねるところから始まる。ベアテ・シロタ・ゴードンこそが、男女平等を定めた日本国憲法第24条の生みの親だった。

昭和初期の日本で、彼女は、日本女性たちの抑圧された状況を目のあたりにして育ち(5〜15歳)、大学は単独で米国へ、卒業後はタイム誌の外国部リサーチャーとなった。1945年8月、第二次世界大戦が終わり、彼女は1945年12月、GHQ民間人要員として日本へ赴任、大戦中、音信不通だった両親と会えた。そして1946年、六ヶ国語をこなす彼女は、日本国憲法草案委員として弱冠22歳で、歴史的に重要な法案を起草した。

映画は続いて、日本女性たちの活動に及び、「ベアテからの贈りもの」を受けた女性たちが、これまで男性の支配下だった社会に、次々と起こした変化が語られる。彼女達の地道な努力の結果の積み重ねが、記録フィルムとインタビューによって構成された後半は、女性史・昭和史として、現代に生きる人々へ多くの実積を語り伝え、そして受け継がれていくことを意図したものである。